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翻訳
 
翻訳:関直子さん

特許明細書の翻訳を専門に、独立して現在6年目です。趣味でドラムをやっているので、週に2回は夕方からスタジオで練習をしているそうです。早朝は愛犬と散歩するなど、仕事と家庭生活、趣味を大切にした生活を送っています。

ファシリテーター:関直子氏 【経歴】
四年生大学英文科卒業。
卒業後はシステムエンジニアを目指そうと思い、某銀行の子会社のシステム開発部に入社、コンピュータの基礎を学ぶ。
2年ほど勤務した後、特許事務所に入社。日本語の特許明細書(電気、コンピュータ関連)を書く仕事に就く。
ファシリテーターからのアドバイス
8年程勤めていましたが、最後の2年ほどは二束のわらじで在宅でも翻訳を始め、その後独立して翻訳のみを行なう。

翻訳という仕事について

  仕事内容
 
特許明細書の翻訳(英語→日本語のみ)
技術内容は、化学以外、電気、電子、機械、コンピュータ、通信等。

  稼動時間
 
基本的に9時間程度。午前中と午後6時頃まで。
忙しい時は11時間ほどで、その場合は朝3時頃に起きて仕事しています。
独立してからは正月も関係なく仕事をし、まったくオフの休日というのは1年間で一週間弱という生活です。

  アプリケーション・ソフト・通信環境
 
・Microsoft Word
・電子辞書:リーダーズ英和辞典、コンピュータ用語辞典、
      電気・電子・情報用語対訳辞典、機械工学用語対訳辞典
・ネット利用:google、英辞郎(http://www.alc.co.jp/)
       特許公報(http://www7.ipdl.ncipi.go.jp/Tokujitu/tjkta.ipdl?N0000=108)

●通信環境・ケーブルで常時接続

  勉強・資格
 
前職で日本語の特許明細書を書いていたことが、今の仕事に一番役立っていると思います。特許明細書には独特な表現がありますし、訳しながら「権利範囲」ということを意識できるようになっていると思います。
翻訳を始めようと思った時、翻訳学校の通信講座で、1年間基礎、半年間特許翻訳を勉強しました。
技術的な内容に関しては、仕事で出てくる内容をその都度勉強しながら対応しています。大学の社会人向けの講座を受講したこともあります。
参考文献としては、富井篤先生の「技術翻訳のテクニック」、「続 技術翻訳のテクニック」、「前置詞活用辞典」等を読んだことがかなり役に立ちました。

  必要なスキル
 
当然ながら、基本的な英語力。
また、同じ程度に日本語力。
翻訳を始めてから改めて、日本語の理解がいかに重要かを痛感致しました。
技術に関する知識については、あればあるだけいいと思います。
前職の仕事で明細書を書いていたので、翻訳を始めた当初もまったく何も知らないということはありませんでしたが、新しい技術が日々出てきますので、ネットで調べるなど常に勉強は欠かせません。
技術力というより、検索力が重要です。いかに効率よく、調べたいことを調べられるか、ということが非常に大きいと思います。

  仕事の獲得方法
 
翻訳雑誌、新聞などで募集していた会社に応募し、トライアルを受けてから仕事を請けるようになりました。現在、その翻訳会社からある程度まとめて仕事の依頼を受けています。他にもう1社、翻訳学校時代の知り合いに紹介してもらった会社から不定期に依頼が来るので、こちらも余裕があれば受けています。
翻訳者には、複数の翻訳会社や特許事務所から仕事を受ける方も多いようですので、その場合はスケジュール管理や仕事の調整などが大変かもしれません。
現在は順調に仕事がきていますが、あくまでもフリーランスですから、もしも仕事がなくなってしまった場合は、翻訳関係の本やネットなどで翻訳者を募集している会社を探し、応募することになると思います。

  ネットワーク
 
前述した翻訳学校でお世話になった方には、仕事を紹介していただいたことに加え、分からないことを教わったり、仕事上のさまざまな不安について相談したりと、精神的にずいぶん支えになってもらいました。駆け出しだった頃は特に先輩の存在は大事だと思います。
ですが、仕事をやっていく上で縦のネットワークは必ずしもなければならないものではないかもしれません。きちんとやっていれば仕事は来るはずですので。
私は同業者の知合いは1人しかいないのですが、同業者にしかわからない辛さなどを励ましてもらったり、分からないことを聞いたりできるなど、横のつながりも大切だと思います。孤独な仕事なので、ほかの人のことを知ることは精神面では非常に大事だとは思います。
本当はもっと多くの人と知合いになって勉強すべきだと思いますが、現状ではなかなかそういう場に足を運ぶ時間がないのが残念です。

  報酬相場
 
翻訳会社を介さずに、直接メーカーや特許事務所とやり取りする場合と、翻訳会社を介している場合とでは、かなり違うようです。
直接請ける場合は、2500〜4500円/400字、15〜20円/1ワード辺りで、翻訳会社を介する場合は、各翻訳会社によりますが、その半分より多いくらいでしょう。

  トラブル
 
あってはならないのですが、やはり一番多いのは内容の勘違い、用語選択のミス等ではないかと思います。翻訳会社から指摘されることもありますが、場合によってはそのまま有無も言わさず切られてしまうかもしれません。調べられる限り調べ、どうしても分からなければ翻訳会社に問い合わせるか、時間がなければごまかさずに、「これこれのように調べたがどうしてもこの部分が理解できなかった」旨を添えて納品すべきでしょう。

翻訳会社の中には、料金未払いという問題を起こすところもあるようですので、翻訳会社を選ぶのも大事なことだと思います。

パソコンのトラブル(故障等)に備え、HDやCD-Rなどにこまめに保存することも大切です。私はいざという時のためにノートパソコンなど、サブマシンも用意しています。

以前、インフルエンザや腎盂炎になって、40℃の熱が出たこともありますが、死にそうになりながら何とか仕事をしました。後で思えば、翻訳会社に相談すればよかったのですが、いずれにしても体が資本なので、健康管理は非常に大事です。

ファシリテーターからのアドバイス