はじめに



 情報化の進展、情報通信機器の普及により、自宅等において仕事を行うことが容易になり、就業形態が多様化し、「在宅ワーク」という会社依存から脱却した個人主導型のワークスタイルが出てきています。この新しい働き方は、子育てや介護などでライフスタイルを大きく変えざるを得なかった女性への就労機会の創出等を促進する可能性が期待されます。

  日本における女性の就労の特徴は、
(1)  20歳代の女性はフルタイム労働
(2)  30〜34歳層は20〜24歳層と45〜49歳層をピークとする「M字型」の谷にあたり、子育てのために労働力率が落ち込む
(3)  35〜49歳層はゆるやかに労働力率が上昇するが、パートタイム労働の比率が高い
(4)  50歳以降はゆるやかに労働力率が下降
(5)  60歳を過ぎるとさらに労働力率が落ち込む
というように、年代によって働き方に特色があります。これは女性は結婚、出産等で仕事を辞める者が多く、子育てが終わった後の再就職においても、その機会や職種が限られるという実態によるものです。

 そんな女性たちもパソコンをはじめとする情報通信機器を手に入れることによって、社会への扉を開くことができます。パソコン等の情報通信機器の普及、インターネットやパソコン通 信等の情報ネットワークの発達によって、今まで会社内で行われていた様々な仕事が会社という組織や場所を離れても可能となり、「在宅ワーク」という新しいワークスタイルを生み出してきました。

 こうした働き方は男性にとっても、育児や介護にかかわる時間を生み出し、仕事と家庭の両立を図ることを可能にしています。
 また、いままで働く上での障壁の1つだった身体的な障害や年齢、地域格差等も埋められていく可能性があります。
 さらに、仕事面のみならず、ボランティア活動や様々なコミュニティー形成にも新たな可能性を開いています。消費、教育、福祉等の分野も含め、ライフスタイルそのものも、パソコンによって変わりつつあります。

 ただし、すべてがバラ色というわけではありません。様々な問題も抱えています。例えば、在宅ワーク希望者に最も人気の高いデータ入力では需要と供給のバランスが完全に崩れ、「どんな値段でも引き受けます」という人で溢れてしまい、その結果 、大幅な価格の下落と依頼者、受注者双方に「内職感覚」を引き起こしてしまったのも事実です。また、高額なソフトを揃えてしまい、結局使いこなせないまま放置し、諦めてしまったという話も耳にします。また、契約の知識がないまま仕事を始めてしまい、報酬の未払に遭遇し泣き寝入りをしてしまったり、「仕事を斡旋するから」と高額な機器の購入を迫られたりというケースも少なくありません。

 この「在宅ワークハンドブック」は、在宅ワークをこれから始めたい方や始めて間もない方に、在宅ワークの基礎知識やノウハウを十分理解していただけるように作成しました。その上で、あなたが今後どのように働いていきたいか、あなたの中・長期的なキャリアの中で在宅ワークをどのように位 置付けていきたいのかを考えていただければと思います。
 そのための一助として、この「在宅ワークハンドブック」を是非ともご活用下さい。


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