発展編 第7章 未来型の働き方を目指して 2 「21世紀型グローバルネットワークのモデルケースを目指して」 企業組合「ユニフィカ(Unifica)」 代表理事 林 美恵子 企業組合「ユニフィカ(Unifica)」設立の経緯 パソコン及びインターネットが普及した今、単独での外出が難しい私のような重度身障者でも従事できる職種が大幅に増加しました。 しかし、現実には「在宅及び施設で生活する重度身障者は常時介護が必要なため、就労は不可能」という「社会的通念」に阻まれ、雇用の対象どころか、考慮の対象にもなりません。 このように就労し、立派に自立できる能力を持ちながらも、その機会を奪われている重度身障者の存在は、社会全体にとって大きな損失であり、今後の超高齢化社会における労働力不足の観点から見ても、緊急に取組むべき課題の一つであると考えられます。 また私を含めた重度身障者は、介護保険やゴールドプラン等の施策実施において必要とされる様々な情報と方策を、自らの体験の中で蓄積しています。 このような自立に必要な知識及び情報を埋没させたままにしておくのではなく、有効な社会的資産として活用していただける体制を確立するためには、私たち重度身障者自身が社会的に信頼される法人としての社会的地位を確立しなければならないと判断いたしました。 上記、二点の問題に取組んできた重度身障者及びそれらを支援する健常者は、この度、企業組合「ユニフィカ(Unifica)」設立発起人として団結し、このような緊急、かつ重大な問題に、当事者として社会に提示できる一つのモデルケースを作り上げるべく平成12年9月19日、資本金300万円で企業組合「ユニフィカ(Unifica)」を設立しました。 現在、私は代表理事に就いており、組合員数は5名(平成12年10月現在)です。同時に「ユニフィカ・ネットワーク」事務局の責任者であり、高知県中村市に拠点を置き、このネットワークは札幌サテライト、青森サテライト、三重サテライト、岡山サテライトがあります。 「ユニフィカ・ネットワーク」事務局は経営全般と営業、業務の管理・統括などを担当し、各サテライトは、それぞれの地元での営業と担当分野における業務管理と実際の製作作業を担当するというスタイルをとっています。 業務内容としては、 1. システムソリューション事業 企業組合「ユニフィカ(Unifica)」は、在宅就労形態の法人ですから、クライアントとの契約は、企業組合「ユニフィカ(Unifica)」が行うことになります。 そして、請け負った業務については、組合員(株式会社では社員兼株主に相当します)が各自の居住地で、オンラインを通じて出される組合事務局からの業務指示に従い、製品(デジタルデータ)を作成・納品します。 仕上がった製品(デジタルデータ)は企業組合ユニフィカからクライアントに、オンラインまた郵送などの方法で納品されます。 クライアントからの支払は、企業組合ユニフィカに対して行われ、組合員は各自の出資金また作業に応じて配当を受けます。これがユニフィカにおける一連の仕事の流れです。 「ユニフィカ(Unifica)」に込められた願い 「Unifica(ユニフィカ)」という名称はunify(包摂) + Institute(研究所) +Cooperative Alternatives(協同組合) を組み合わせて作りました。 「unify」という言葉には、異なるものを取り込んでも、その特質を残しながら、自らもバランス良く成長できる「包摂」という意味が有ります。また「Institute」は「常に基礎に立ち返り、研究を続行して行きたい」という願いを表しています。最後の「ca」には「Cooperative Alliance(協同組合連盟)」に育って欲しいという想いも込めました。 この名称からもご理解いただけますように、企業組合「ユニフィカ (Unifica)」は障害者が在宅で就労しつつ、従来の企業の枠組みの中に上手く組み込まれるような「包摂型社会システム」を研究するために、重度障害在宅就労者自身により設立された組織です。 「21世紀社会」に生きるにふさわしいネットワーカーとして そして最終的には、私たち企業組合「ユニフィカ(Unifica)」だけが自立するのではなく、私たち企業組合「ユニフィカ(Unifica)」が収集・所持している情報やノウハウを共有・活用していただき、私たち企業組合をモデルとした、様々な専業型・地域型の組合組織が誕生し、メタネットワークとしての協同組合連盟の役割を担えるように成長していくこと、また、それらの組合がマイノリティとしての権利主張ではなく、「共生」の社会を目指し、その仕組みを自ら作り出していくこと。これが、私たち企業組合の目指すことです。 そのために、私たち企業組合は今後、障害者雇用に関して存在する様々な課題を解決する一つの方策として、私たち自身が設立運営している企業組合を社会に提示するとともに、超高齢化しつつもグローバルネットワークを存分に活用して繁栄する「21世紀社会」に生きるにふさわしいネットワーカーとして、当然果たすように求められている義務を履行できるよう、努力邁進して行きたいと考えています。 |
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