実践編・自己診断から実施へ 第5章 ワンポイント知識 2 経理の知識 さて、会社勤務時代は、所得税、住民税が給料から天引きされていたので、何も疑問を持たずに給料明細書を見ていた方も多かったのではないでしょうか。ところが在宅ワークを始めたら、自分で税金の申告をしなければなりません。また、見積書や請求書といった仕事に必要不可欠な書類も、作らなければならないのです。 経費について 在宅ワーカーは、個人の所得に課される「所得税」と「都道府県民税」や「市町村税」などの「住民税」を納税する必要があります。税務署には所得税の申告(確定申告)をしますが、住民税については税務署から居住地域の市町村役場に連絡がいくので、申告の必要はありません。 所得税法では、「所得」を事業所得、給与所得等の10種の類型に区分していますが、在宅ワーカーについては、それが事業として行っている場合は事業所得に、内職的に行っている場合は雑所得に分類され、必要経費が認められます。 この場合の「所得」とは「収入」という意味ではなく、「総収入金額−必要経費」の額です。必要経費が多くなれば、所得は少なくなり、したがって納税額も少なくなります。 必要経費とは、その年の収入を得るために必要だったもの(販売費、一般管理費など)を指します。具体的には、次のような勘定科目に分けられます。
これらを申告するためには、支出を証明できる帳簿や領収書等が必要です。 ※特定情報通信機器の即時償却制度(パソコン減税) http://www.mpt.go.jp/top/zeisei/soho-2000apr.html 個人事業者及び法人が取得する100万円未満のパソコン等の特定の情報通信機器について、取得価額の全額を損金算入(必要経費処理)することができます。パソコン減税の適用期間は1年間延長されました。 【対象税目】 所得税・法人税 【対象者】個人事業者及び法人で青色申告書を提出するもの 【適用期間】平成11年4月1日から平成13年3月31日 必要経費に関する所得税法上の取扱い 家内労働法第2条第2項に規定する家内労働者、外交員、集金人、電力量計の検針人など「特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする者」(※1)の事業 所得又は雑所得の所得金額の計算については、その総収入金額から控除する必要経費が65万円未満となるときは、実際の必要経費がなくても、最低65万円まで(給与所得を有する 場合には、65万円から給与所得控除額を控除した残額を限度)の必要経費の控除が認められています。 在宅ワーカーについても「特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする者」に該当する場合には、家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例が適用されます。したがってこれに該当する在宅ワーカーの場合、必要経費が実際にない場合でも65万円の必要経費が認められるため、基礎控除の38万円を加え、年収が103万円までは、非課税となり、確定申告の必要はないということになります。 必要経費がある場合でその額が65万円に満たない場合、必要経費を除いた年収が65万円から必要経費を控除した額に基礎控除の38万円を加えた額以下であれば、同じく非課税で確定申告の必要はないということになります。 例:必要経費が40万円の場合
必要経費がある場合でその額が65万円に満たない場合、必要経費を除いた年収が65万円から必要経費を控除した額に基礎控除の38万円を加えた額以下であれば、同じく非課税で確定申告の必要はないということになります。 例:必要経費が80万円の場合
<タックスアンサー一覧>
また、タックスアンサーにはインターネット版もあり、情報の検索や、申告書等のダウ ンロードができます。 <アドレス> http://www.taxanswer.nta.go.jp/ ※1「特定の者に対して継続的に人的役務の提供を行うことを業務とする者」という場合の「特定の者」は必ずしも単数の者をいうのではなく、人的役務の提供先が特定している限り複数の者であっても差し支えない。人的役務の提供先を広く募るなど、その業務の性質上、不特定の者を対象として人的役務の提供をする場合における人的役務の提供先は「特定の者」に当たらない。 ※2複式簿記−−−日々の取引を所定の勘定科目に従って借方(入金)、貸方(出金)に仕訳することで、資産、負債、資本を把握する記帳方法。 ※3平成14年度までの特例−−−平成14年度までの各年分は、簡易帳簿(現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳)に日々の収入支出を継続して記帳している人で、預金や手形、借入金などの資産や負債について預金通帳や借入証書、残高証明書などの記録から、年末残高を確認し、貸借対照表を作成すれば控除の対象となる。 ※4合計所得金額--------純損失等の繰越控除をしないで計算した場合の、総所得金額、退職所得金額及び山林所得金額の合計額をいう。 見積書を作ろう 「見積り」とは、仕事に対してどの程度の時間と工数、それに適応する料金がかかったかを相手に提示するものです。時には、相手から「○○円でお願いします」と言われる場合もあります。それが妥当な金額だったらいいのですが、法外に安い金額だったらどうしたらいいでしょう。大抵の在宅ワーカーは「経験が浅いから」「次の仕事が来ないと困るから」ということで、「分かりました。それでやります」と即答してしまうのではないでしょうか。そういう場合は、「分かりました。一度、きちんと作業時間と工数を割り出してお見積書を出させていただきます」とワンクッション置いてから答えましょう。あまり安い値段で仕事を引き受けてしまったら、それ以降も同じような値段で受けざるを得ません。どんなに頑張っても1時間200円、300円にしかならない仕事なら、パソコン代や電気代、通信費を考えたら、引き受けないほうがいいですし、そのような発注をしてくる企業は、まともな価格提示をしていないところと注意したほうがいいでしょう。 また、「高すぎる」と相手から言われた場合は、どこで接点を見出せるかが交渉のテクニックです。自分にとって一定の金額は割らない、というところは持って交渉に臨みましょう。 見積書は発注側、受注側にとって、「この金額で合意した」という証になりますので、請求書発行時まで、大切に保管しておきましょう。 「例 御見積書」 請求書を作ろう さて、仕事を受注する際に作成するのが「見積書」で、条件的・金額的に合意して相手から発行されるのが、「発注書」です。そして成果物を納品した時に自分が発行し相手の確認を得るのが「納品書」です。この一連の流れを経ていよいよ相手に「請求書」を発行します。 請求書の発行時に注意することは、必ず相手の締め日を確認することです。各社で取り決められている「支払サイト」というのが必ずあります。「20日締めの翌月末払」などというのが、その取り決めサイトの一例です。例えば納品日が9月18日だったのに、20日締めということを知らずに請求書の発行日を9月30日にしてしまった場合は、当月付けの扱いに該当せず、翌月付けの扱いになってしまいます。結果、入金されるのが、納品時から換算すると、翌々月末払となってしまうのです。 また、基本的に請求書には見積書と同額を提示しますが、受注時と納品時では条件が変わってしまっていたり、作業行程が著しく増えて、見積書の価格から大きく変わる場合は、請求書を発行する前にあらかじめ相手に金額が変わる根拠を説明をしておきましょう。何の説明もなしに見積書とまったく異なる請求書が相手に届いた場合は、受け付けられない場合もあるので、注意しましょう。 「例 御請求書」 |
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