実践編・自己診断から実施へ

第4章 実践マニュアル



7 次のステップへ



 自分の生活や方向性を見直し、仕事を拡げるという目標が定まったら、次のステップにつなげるノウハウを獲得していきましょう。

仕事を拡げるための情報収集を

 さて、在宅ワークの仕事を拡大していくためには、情報収集が肝心です。そしてこれらの情報は人的ネットワークを拡げていくことによる恩恵が大きいとも言えます。では、このネットワークによってどんな情報交換ができるかを整理してみます。
(1)  新たにめざす職種の内容
(2)  報酬相場
(3)  スキルアップのための手段(パソコン教室での習得等)
(4)  マシン環境(ハード・ソフト)の整備
(5)  仕事の獲得方法
(6)  グループワークについて
(7)  経費の取扱い
(8)  税制面の取扱い
等、多岐にわたります。このネットワークを基盤に在宅ワーカー同士の意識や地位向上につなげていき、仕事を拡大していきましょう。

ステップアップのための方法・手段

 パソコンのノウハウだけでなく、経理や税金に関する知識を含め、起業を見据えた講座・セミナーは、民間企業で多く開催されています。また、市町村等で開催されている場合もあります。さらに、外に出る時間がない人には、各種通信講座やオンライン講座などもあるので、自分の生活スタイルや目標に応じて受講するといいでしょう。
 その他にも、書籍での独学やインターネットや雑誌などで業界動向を調べたりできます。詳細は厳選サイト44選を参照してください。

フリーランスとしてグループ化・ネットワーク化するノウハウ

 最近、インターネット上では在宅ワーカーのエージェントだけではなく、たくさんの在宅ワークのグループが情報を発信し、メンバーの募集なども行っています。個人ではなくグループで仕事をするメリットは、
(1) 大量の受注が可能となる
(2) 自分が持っていないスキルを要求された時も受注できる
(3) 家族の都合や病気など不測の事態に遭遇しても、それを補うマンパワーがある
等があります。

 グループは、
(1) 原稿の直接の受け渡しや会って打ち合わせが可能な、近隣に居住する者のグループ
(2) 居住地は離れていて、通常はインターネットで連絡を取り合うグループ
(3) 仕事の規模や内容に応じて編成するプロジェクト制のグループ
等に分類されます。

 さて、このグループで仕事をしていく上で注意する点は、無の状態からすぐに数十名のメンバーを募るのではなく、まず数名で1つ1つ仕事の実績を積み上げていき、各メンバーの性格や仕事ぶりを把握することが重要です。その結果、「この人にはこの仕事のチームリーダーが向いている」「この人には営業が向いている」「この人には経理が向いている」等が分かってくるからです。

 また、仲の良い友人同士で始める場合は、その「友達感覚」が災いして、ビジネスライクな関係を作りにくくなりがちです。仕事で接する厳しさを意識的に作っていくと良いでしょう。
 特に注意が必要なのは、報酬の分配方法です。営業報酬、リーダー報酬、見積もりや請求作り・口座管理の報酬等、作業のプロセスをガラス張りにし、文書にして全員に行き渡るようにしましょう。

個人事業主として開業する

 法人形態をとらずにフリーランスで働く場合は、「個人事業主」となります。税制上、年間所得が1,000万円未満ならば所得税が、年商300万円未満ならば事業税が法人よりも安くなります。個人事業主になるためには、開業15日以内に各都道府県税事務所もしくは市町村役場にて「事業開始等申告書」を提出し、開業から1ヶ月以内に納税地の税務署で「個人事業の開廃業等届出書」を提出します。これには、住所、氏名、職業、屋号、電話番号、開業日、事業の概要、事業所の所在地等を記載します。

会社組織にするためのノウハウ

 さて、ある程度事業規模も拡大し、売上が上がってくると考えるのが法人化することではないでしょうか。では、個人と法人ではどう違うのでしょうか。個人の場合は売上すべてが経営者のもので、事業内容の変更や廃業も簡単に出来ます。ところが法人は、法律上の手続きのもと、人間と同じ人格をもつ「法人格」です。法人格は個人の人格と違い、売上は経営者であろうとすべてが自由になるわけではありません。また、事業内容の変更も一定の手続きを踏む必要がありますし、会社の解散も法律上の手続きが必要です。このように法人は社会の公器として存在するものであり、社会的な責任を背負っています。その旨をまず理解した上で、法人化するか否かを十分考えてから決めましょう。会社組織には合名会社、合資会社、有限会社、株式会社などがあります。
 現在、書店では起業についてのハウツー本が数多く出ていますので、参考にするといいでしょう。

 また、起業に関する国や自治体による公的サポートもいろいろあります。大きく分類すると次の4つが挙げられます。
(1) 融資、債務保障、助成金・補助金の支給、投資などの金銭に係るもの
(2) 製造設備や教育設備、展示会場などの貸与またはリース
(3) 経営全般や人材育成、社員教育に関するコンサルティングや支援
(4) 経済動向、産業統計、消費傾向、特許や新技術などに関する情報の提供

雇用労働者として再就職するためのノウハウ

 在宅ワークを行いつつ、再就職に照準を合わせることも選択肢の一つとして挙げられます。例えば最近の求人状況をみると、特定のソフトの習得者やLAN構築の知識のある者、ホームページ制作の知識がある者等、情報通信技術に長けた人材の求人が多くなっています。在宅ワークを通じて、再就職に必要なパソコン技術の維持・レベルアップを図り、企業に採用されるという方向も可能です。

 求人情報は、ハローワーク(公共職業安定所)の他、就職情報誌、新聞広告の求人欄、人材バンクのホームページ等から得ることができます。
 具体的な方法としては、再就職に照準を合わせた職種・業界の仕事をまずは在宅ワークとして受注し、育児や介護の手が離れた段階で雇用労働者として再就職するというように、5年計画くらいの青写真を描き、それに向けてパソコン技術とビジネス・スキルを磨いていきましょう。


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