実践編・自己診断から実施へ

第4章 実践マニュアル



5  危機管理



マシンや通信環境のトラブルに備えて

 在宅ワークをする上で、必ず考えなければならないのは、トラブル対策。「もしもマシンや通信環境にトラブルが起こったら…」「突然の家族の病気。どうやって乗り越える?」「眼や腰が痛い」「契約が不履行。どうしたらいいの?」等、ケースは様々。
 では、まずマシンや通信環境のトラブルにどう備えていったらいいかについて、考えてみましょう。

【ケース1】  突然、マシンが動かなくなった
 考えられるケースは、
(1)  複数のソフトを使っていて、ソフト同士がクラッシュ(衝突)してしまった
(2)  ハードそのものが故障してしまった
(3)  ハードの容量を上回る作業をしてしまった
(4)  ウイルスに感染してしまった
等です。せっかく作業をしていても、データを保存をしていなければ、それが全部無駄になってしまう場合もあります。

 仕事で作業しているファイルに関しては、マシンのハードディスクだけで保存せず、必ずFDやMOでバックアップをこまめに取っていきましょう。それも1日に1回と限らず、いったん作業を中断する時や午前、午後、夜間と時間毎に保存することをお勧めします。

 また、ウイルスはEメールに添付されているファイルに潜んでいたり、外部から持ちこまれたCD-ROMやFDなどに潜んでいることもあります。見知らぬ人から添付ファイルのあるEメールが送られてきた場合は、ファイルを開く前に十分注意することが必要です。このウイルス対策には、市販の*ワクチンソフトをお勧めします。このワクチンソフトには、ウイルスを検索する機能や感染ファイルからウイルスを取り除く機能、ウイルス感染を防止する機能などがあります。パソコン起動時にワクチンソフトを起動させることによって、あなたのパソコンにウイルスが侵入していないか、絶えず監視しています。このウイルスは、日々新種が出まわり、同時にインターネット上で情報も流されています。ただし、中にはデマメールも流れることもあるので、注意が必要です。「このEメールをすぐに他の人に流してください」等、チェーンメールのような疑わしい内容のものは、十中八九、デマメールと考えていいでしょう。

 経済的な余裕があれば、マシンは2台揃えたほうが万一のトラブルに備えることができます。
  また、トラブルに備えてメーカーのサポートセンターの番号は、マシンのそばに貼っておく等の工夫も必要です。

【ケース2】  突然、Eメールが送受信できなくなった
この場合は、
(1)  契約しているプロバイダのメンテナンス時間にかかってしまった
(2)  プロバイダ自体の通信環境に何らかのトラブルが生じてしまった
(3)  メールボックスに保存しているEメールの容量がプロバイダとの契約容量をオーバーしてしまった
(4)  送受信するEメールの容量が大きすぎて、メールボックスから溢れてしまった
(5)  モデムの異常
(6)  1分1秒とたがわずEメールの送信と受信が重なってしまい、クラッシュしてしまった
等が考えられます。

 Eメールは在宅ワーカーにとってはいわば命綱。発注者と在宅ワーカーを結ぶ大切なツールです。もしも指定された納品時間にEメールのトラブルが重なってしまったら、あなたの信用を落とすばかりか、それによって発注者の仕事自体にも影響を及ぼすことになるのです。

 そんなトラブルに備えて、複数のEメールアドレスを持つことをお勧めします。経済的な理由で、複数のプロバイダと契約できないという方には、無料Eメールを使う、という方法も考えられます。現在、インターネット上では、簡単なアンケートに答えたり、DMを受け取る、時間帯が限定されているという条件付きで、たくさんの無料プロバイダ、無料Eメールがあります。検索サイトで「無料プロバイダ」や「無料Eメール」とキーワードを打ちこめば、簡単に探すことができます。ただし、この無料Eメールはあくまでも、サブメールとして考えたほうがいいでしょう。例えばプライベートのEメールは無料Eメールで、仕事用には有料契約したプロバイダのEメールで、と使い分けます。そして、有料契約したプロバイダのEメールで何らかのトラブルが生じてしまった場合に、この無料Eメールを使うといいでしょう。
  こちらもプロバイダの電話番号はマシンのそばに貼っておくなどの工夫をしましょう。

家族が病気になってしまった。そんな時どうする?

 次に、自分では予想もつかない家族の病気にはどう対応していったらいいでしょうか。特に乳幼児や高齢者が家族にいる場合は、不測の事態に遭遇することが多いのではないでしょうか。そんな時の対処法として考えられるのは、

(1) パートナーや家族の協力を得る
  在宅ワークをするのであれば、育児や介護についてパートナーや家族の協力を得られることが不可欠です。どうしても納期に間に合わない、という場合は、パートナーや家族に相談してみましょう。

(2) 友人・知人に依頼する
 信頼がおける友人に「2時間だけ」など、時間限定で頼むこともできるのではないでしょうか。その際、日頃のお付き合いの密度がものを言います。困った時、「お互い様」と言えるような関係を作っておきましょう。

(3) ベビーシッターやホームヘルパーの派遣会社を利用する
  ほとんどのベビーシッターの派遣会社が保育の条件としているのは、「健康な子ども」ですが、稀に「発熱が37度台ならば」「軽い腹痛程度なら」というように、条件付きで預かってもらえる場合があります。各派遣会社によって、条件や料金体系が異なるため、事前に調べておくことをお勧めします。

(4) 発注者に相談する
 パートナーが出張中、実家が遠い、友人・知人も頼めない、近くのベビーシッターの派遣会社ではどうしても条件が合わない…。そんな時は、思いきって発注者に相談して、納期や担当を替えてもらうようにしましょう。「何とか頑張れるかもしれない」と仕事を抱えてしまって、結局は間に合わなかったら、あなたの信用はなくなります。それよりも、早いうちに相談して、断る勇気を持つことも必要です。そのためには日頃から発注者との信頼関係を築いておくことが大切です。

(5) モバイルを活用する
 子どもが入院してしまって移動に時間がかかる、泊り込みになってしまった等の時、威力を発揮するのは、このモバイルの活用です。もちろん、病院内で使うのはご法度ですが、24時間、付き添っているわけでもないでしょう。ちょっとした時間を見つけて、病院外の例えば喫茶店などでモバイル操作をすることができます。最低限、Eメールでの送受信ができれば、連絡を取り合うことはできます。

(6) グループワークで乗り切る
  受注した仕事が、もしも複数人に振り分けるのが可能であれば、自分は仕事の指示に徹し、作業はグループで行ってもらう、ということも可能です。日頃から信頼できる仲間づくりをしておくよう心がけましょう。

健康管理

 在宅ワークを長く続けていると、眼精疲労や腰痛に悩まされることもあります。
 まず、パソコンに向かう姿勢をチェックしてみましょう。前傾姿勢になっていたり、足を組んで座っていませんか。姿勢は、直角に座り軽く背中を椅子にもたれかけて、腕を自然に曲げた時に、ちょうどひじが机にのる程度が望ましいでしょう。おへそと机の間は、こぶしが一つ入る程度の間隔を空けましょう。足はきちんと床に着けます。

 また、人間工学に基づいて体の負担を軽減する椅子なども開発されていますので、購入することも一考に値します。軽いストレッチ運動やダンベル体操、水泳などを行うのもいいでしょう。
 また、姿勢のせいだけではなく、どうしてもモニタを長時間見続けると、眼に負担がかかります。モニタにCRTフィルタを取りつけるといいでしょう。

  他にも電磁波を遮断するエプロンなども開発されており、裏地に使われている特殊な金属化繊が電磁波を遮断する効果があります。
 厚生労働省では昭和60年12月に「VDT作業のための労働衛生上の指針」 を策定し、VDT作業における労働衛生管理等に関する事業場での自主的対策を示しています。


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