実践編・自己診断から実施へ

第4章 実践マニュアル



1 在宅ワーク実践の第一歩



発注者との連絡マナー

 在宅ワークの発注は電話、電子メール、FAXなど、連絡方法は様々だと思います。発注者がなぜ、その連絡方法を取ってきたのか、まず考えてみましょう。そして、相手のニーズを汲み取り、丁寧な対応を心がけましょう。

(1) 電話の場合
 急ぎの仕事の発注の場合、一番多いのがこの電話発注です。発注者にしてみれば、いわば「Eメールを書く暇がない」ほど、忙しい場合があります。例えばここに1本の電話がかかってきたとします。

<事例1>
ルルルルルル…
大川M子 「はい、大川でございます。」
CD商事 「こちらはCD商事の松山です。 大川M子さんはいらっしゃいますでしょうか?」
大川M子 「はい。大川M子です。」
CD商事 「いつもお世話になります。実は、急ぎの仕事がございまして…」
大川M子 「あー、今、忙しいので、後でE子メールを入れて頂けますか?」
CD商事 「わかりました。もう結構です。」

  この場合、相手の用件を最後まで聞かず、自分の都合でEメールを入れて欲しいと頼んだため、発注を逃してしまった例です。では、こんな時はどう答えたらいいでしょうか。

ルルルルルル…
大川M子 「はい、大川でございます。」
CD商事 「こちらはCD商事の松山です。大川M子さんはいらっしゃいますでしょうか?」
大川M子 「はい。大川M子です。」
CD商事 「いつもお世話になります。実は、急ぎの仕事がございまして…」
大川M子 「はい、詳しいお話をお伺い致しますが、あいにくすぐに外出しなければなりません。大変恐縮ですが、30分後、こちらから折り返しお電話を差し上げてもよろしいでしょうか?その時間は会社のほうにいらっしゃいますか?」
CD商事 「わかりました。30分後でしたら社におりますが、その後は外出してしまいます。その際は私の携帯電話090‐××××‐××××までご連絡下さい。では、お電話お待ちしております。」
大川M子 「はい、それでは後ほどご連絡をさしあげますので、よろしくお願い致します。」

 このように、自分に都合があったとしても、相手に連絡をとれる時間、場所を必ず聞いておき、再度自分から連絡をとりましょう。これならば相手に不快感を与えません。
 また、電話を受ける際は、手元に必ずメモを忘れずに。電話での依頼内容をまとめて、その後、発注内容を確認するために、FAXやEメールでその内容を相手に送り、相互の解釈の違いを防ぎましょう。
 その他、気をつけなければいけないことは、次の点です。
相手に失礼のない言葉づかいを心がけること。
外出時は留守番電話にする。その際、録音容量が十分かどうか、必ず確認すること。
電話のそばにいない時は、家の中にいても音量を大きく調節して、どこにいても聞こえるようにしておく。または電話のそばにいる家の誰かに取次ぎを頼む。ただし、子どもに頼むと相手の言うことが正確に伝わらなかったり、相手に失礼な言葉づかいをしてしまう場合があるので、なるべく避けること。

(2) FAXの場合

<事例2>
「ルルルルルル」…
「ルルルルルル」…
「ルルルルルル」…
「ルルルルルル」…
「ルルルルルル」…
 FAX送信音が延々続いています。この場合は、多分FAXと電話の切り替えを忘れたか、もしくはFAX用紙が切れてしまった場合です。相手はこれで送信を諦め、結局は発注を逃す結果になってしまいます。
 注意することは、次の点です。
・ 定期的にFAX用紙を補充すること。
・ 定期的にトナーを補充すること。
・ FAXを受け取った後、相手に必ず「受け取りました」と連絡を入れること。

オンラインならではのマナーの注意点

 在宅ワークは、何といってもEメールの使用頻度が高いのではないのでしょうか。営業、受注、納品まですべてEメールで完結することができるからです。では、ここでEメールの書き方の例をみてみましょう。

(3) Eメールの場合
 これは、大川M子さんがCD商事の担当者に発注確認のEメールを書いた時のものです。

<事例3>
宛先:CDS@○○○○.co.jp
件名:原稿ご発注の確認(大川M子)

(本文)

CD商事株式会社 総務部 松山 K男様

いつもお世話になっております。
大川M子です。
さて、○月○日にお電話にてご発注を頂き有難うございました。

ご依頼頂いた内容は、以下のとおりで間違いございませんでしょうか。
お手数ですが、よろしくご確認のほど、お願い致します。
もしも、私の解釈が違っておりましたら、ご指摘頂けましたら幸いです。

それではよろしくお願い致します。

<ご発注内容>
内 容: ホームページ用原稿「はじめての在宅ワーク体験談」
在宅ワーク初心者に向けて、私が初めて在宅ワークで仕事を受注した時の体験談を紹介する。
特に、初心者が陥りがちな失敗など、教訓になるような内容を強調する。
文字数: 2,000字
報 酬: 1,000字あたり5,000円  計10,000円
納 期: ○月○日 午後4時
お支払い 条件: 納品後20日締め翌月末指定銀行口座お振込み
  以上
                                                          
-----------------------------------
大川M子
E-mail:mko@○○○.ne.jp
TEL.03-3050-○○○○
FAX. 03-3050-○○○○
〒140‐0014東京都品川区大井○-○-○
-----------------------------------
 Eメールのメリットは、好きな時間に連絡を入れられ、相手も好きな時間に読むことができることと、書面として残すことができるため、電話での聞き間違いなどから起こるトラブル防止につながることです。

 さて、ここでEメールにおけるビジネスマナーをまとめてみます。
 相手先の会社名、部署名、役職、名前は正確に。
 時候の挨拶は省略しても良い。前文の挨拶は簡単に。
 適切な改行を行う。通常、1行に入る文字数は35文字から40文字程度。それを超えると自動改行されてしまう。
 件名を忘れずに入れる。入れないと、「件名なし」もしくは「No Subject」と表示されてしまう。
 署名を忘れずに。自分の名前やEメールアドレス、電話、FAXなどを、メールソフトであらかじめ設定しておく。
 自分のメールアドレスを使う。あくまでも仕事でEメールを使うのだから、家族のメールアドレスは使わない。
 文頭は左端に揃える。そうすれば文章のレイアウトが崩れる心配がない。
 私信ではないのでフェイスマークは使わない。あくまでもビジネスメールであることを忘れずに。
 文字化けの原因になる半角カタカナ、丸数字などの機種依存文字を使わない。
 メールソフトの種類によっては文字化けの原因になるHTMLメールは使わず、「テキスト」形式にあらかじめ設定しておく。
 送信してから相手からなかなか連絡が来ない場合、再送信する。稀に遅滞、不着の場合があるため、念には念を入れる。

 Eメールは確かに便利なツールですが、「Eメール至上主義」にならないこと。すべてをEメールに依存するのではなく、電話やFAXなど、他のツールも組み合わせて、きめこまやかな連絡を取っていくことです。場合によっては、他の連絡手段を使ったほうが、確実に、早く相手とコンタクトがとれることもあるからです。



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