基礎知識編・在宅ワークを知る 第2章 在宅ワークの基礎知識 1 必要なアイテム どのOS搭載機種を選ぶか? 在宅ワークを行っていく上で、まず絶対に必要なのは、パソコンですが、パソコン売り場へ行くと、あまりにもいろいろな種類があって初心者は何を買ったら良いか、迷ってしまうのではないでしょうか。 まず迷うのは、ウインドウズ(Windows)とマッキントッシュ(Macintosh)、どちらの*OS(オペレーティングシステム)を備えた機種がいいか、ではないでしょうか。基本的にはどちらのほうがいいとは言えません。それぞれの機種で「得意技が違う」と考えたほうがいいでしょう。現在のところ、ビジネス系(ワープロ、表計算、データベースなど)はウインドウズ、クリエーター系(デザイン、作曲、映像制作など)はマッキントッシュ、というように職種によって、使用機種のすみ分けができていると考えていいでしょう。仕事の内容によっては特定の機種のみに限定される場合があります。例えば「アクセス(ウィンドウズのデータベースソフト)での名簿入力」や「クォークエクスプレス(マッキントッシュのレイアウトソフト)でのレイアウト」というような場合です。その機種でしか動作しないソフトを指定された場合は、当然、それが動作するOSを備えたハードが必要となります。 ですから、まず、自分がそのパソコンで主にどんな仕事をするかを考え、選択しましょう。 CPUは? *CPU(シーピーユー)とは、パソコンの頭脳にあたる部分です。CPUによってOSやソフトウエア、データなどをハードディスクから読みこんでパソコンを動かしています。このCPUが高性能なほど処理速度が速くなります。パソコンのカタログをよく見ると、「インテルペンティアム400MHz」「セルロン300MHz」などの表記があります。 このMHz(メガヘルツ)で表されている数字の部分は、クロック周波数と言い、この数値が大きいほど処理速度が速くなります。 メモリとHDD 続けて確認したいのは、メモリと*HDD(ハードディスクドライブ)の容量です。 メモリとは、CPUの記憶力にあたり、CPUがハードディスクから読みこんだ内容を一時的に蓄積しておくものです。例えばワープロソフトを立ち上げたときにCPUはハードディスクからワープロソフトを読み込み、読み込んだソフトをメモリに貯め込みます。そしてこのメモリに蓄積されたソフトを使って私たちは作業をするのです。 ハードディスクとは、データを保存するもので、OSやソフトをあらかじめ*インストールしておくために使われます。どの機種にも必ずHDDは組み込まれています。これらの数字が大きいほど、スムーズにパソコンを動かすことができます。ビジネス系では最低でもメモリ32*MB(メガバイト)、HDD2*GB(ギガバイト)以上を、容量の大きい画像などを取り扱うデザイン系では、メモリ64MB、HDD4GB以上が望ましいと言えます。 CD-ROMドライブ 最近のパソコンには必ずと言っていいほど、CD-ROMドライブが搭載されています。 CD-ROMとは、書き込みができない読み出し専用のCDのことです。容量は最大約650MBで、これも「10倍速」「4倍速」という表記があり、この数字が大きいほどデータ転送速度が速くなります。 ディスプレイのサイズ ディスプレイとは、パソコンにつないで文字や画像を表示するモニタのことです。テレビと同じブラウン管を使ったものを「CRTディスプレイ」、液晶を使ったものを「液晶ディスプレイ」と言います。総じて液晶のほうが高額ですが、目は疲れにくいようです。 ディスプレイの大きさは、対角線の長さを「インチ」で表します。15〜17インチが標準的な大きさですが、DTPやCAD、イラスト作成などの複雑な作業をする場合は、大き目の19〜21インチのディスプレイが望ましいでしょう。 プリンタ プリンタには、インクジェットプリンタ、レーザープリンタ、熱転写プリンタなどの種類があります。それぞれ特徴が異なりますので、価格、速度、用途にあわせて選ぶとよいでしょう。各種類の特徴は以下のとおりです。 <インクジェットプリンタ> ・ 液体インクを飛ばして紙に吹き付け印刷。 ・ 比較的低価格。 ・ 比較的音が静か。 ・ 手軽にカラー印刷ができるので、家庭用に普及。 ・ 印刷速度がやや遅いため、大量の印刷には不向。 <レーザープリンタ> ・ 比較的高価格。本格的にDTPなどで使う場合の「ポストスクリプトフォント対応」プリンタだと 特に高価。 ・ 消費電力が大きい。 ・ 印刷速度が速いため、大量の印刷向。 <熱転写プリンタ> フイルムに塗布したインクを熱に溶かして印刷をする方式で2種類がある。 ○マイクロドライ型 ・ カセットタイプのインクリボンで印刷。紙が色ごとにプリンタの中を往復。 ・ 水に強い。 ・ 比較的低価格。 ・ Tシャツやマグカップなどのシール印刷が手軽。 ○昇華型 ・ 写真のようにきれいなカラー印刷。 ・ デジタルカメラから直接印刷できるタイプのものが多い。 ・ A4サイズの印刷だと比較的高価格なため、ハガキサイズ印刷が家庭用として普及。 ・ ハガキサイズだと比較的低価格。 フロッピーディスクの種類 メール納品以外にデータのやり取りが多いのはFD(フロッピーディスク)でしょう。FDには「2HD」と「2DD」の2種類があり、すべてのパソコンですべてのFDが読めるわけではありません。ですから、「FD納品」の時は、注意が必要です。 各機種対応状況は以下のとおりです。 <Windows> IBM互換機
<PC98>
<Macintosh>
データのバックアップのために外部記憶装置を 在宅ワーカーにとって、成果物のデータは命です。ハードディスクにデータを保存しておくだけでは、もしもパソコンが壊れてしまった場合、データを取り出すことができません。しかし、外部記憶装置でバックアップを取っておけば、たとえパソコン本体にトラブルが起こっても、別のパソコンからデータを取り出すことができます。この代表的なものが、*MO(エムオー)ドライブと*ZIP(ジップ)ドライブで、MOドライブで使える光磁気ディスクをMO、ZIPドライブで使える光磁気ディスクをZIPと言います。 現在のところ、マッキントッシュの上位機種には標準でZIPドライブが搭載されていますが、一般的にはMOドライブ搭載機種のほうが多く、データのやりとりには主にMOのほうが多く使われています。 MOは、FD(フロッピーディスク)と同様に、何度でも書きこみと消去ができますが、FDよりも大容量のデータを保存することができます。128MB、230MB、540MB、640 MB、1.3GBという5種類の容量のディスクがあります。ここで注意しなければならないのは、たとえば230MBまでにしか対応していないMOドライブは、540MB以上のMOを読み書きできないことです。反対に1.3GBに対応したMOドライブは、128MBであろうと640MBであろうと、すべてのMOを読み書きできます。 通信環境を整える 在宅ワークの基本は、パソコン本体と通信技術を整えることです。FDやMOによる成果物の納品とともに、主流なのはメール納品です。通信環境を整えるには、モデムと通信ソフトが必要です。最近のパソコンでは、モデムも通信ソフトも購入時に付属しているので、買ったその日からインターネットやパソコン通信を行うことができます。 通信を行うためには、普通、電話回線を使いますが、最近では電話回線を使わない、CATV(ケーブルテレビ)を利用した常時接続のケーブル回線もあります。電話回線の接続代と比較すると廉価ですが、地域によってはケーブルを引くことができない場所があったり、*モバイルはできないという点に注意しましょう。 モデムとは、パソコンのデジタル信号を通常の電話回線で使用されるアナログ信号に変換させる装置です。また、*アナログ回線ではなく、*ISDN回線(総合デジタル通信網)を使用する時には、モデムではなく*TA(ターミナルアダプタ)が必要になります。 ある程度の予算が確保できるのならば、アナログ回線をISDN回線に切り換えましょう。こうすればダイヤルインで簡単に電話番号を増やすことができます。電話番号も現在使用中のものが引き継がれます。最近のTA(ターミナルアダプタ)はアナログポートを3個装備しているものが多く、これなら家庭用、仕事用、ファックス用 の3つを独立させることができます。 インターネットを閲覧するには、「ブラウザ」と呼ばれる閲覧用の通信ソフトが必要です。現在、主流なのは「ネットスケープコミュニケーター」と「インターネットエクスプローラー」で、これらにはメールソフトも付属しています。使い勝手の良いメール専用ソフトもシェアウエアや市販でたくさん出ているので、試してみて自分の使いやすいソフトを選びましょう。 ファックスは必要? ファックスは必要とは断言できませんが、たとえば紙の生原稿が多いデータ入力の場合などは必需品と言えるでしょう。仕事の発注は必ずしもEメールを通してだけではないからです。 コピー機は必要? これも必要とは断言できませんが、たとえば成果物を何部もプリントアウトして、複数人から検証を受けなければならない場合は、プリンタで1部だけ出力してコピーを使った方が、ずっと能率的である場合もあります。いちいち有料のコピーの取れる場所に行く手間暇を考えたら、購入したほうがいいかもしれませんが、これもケースバイケースです。本当に必要に迫られる職種のみで大丈夫でしょう。 モバイルは必要? モバイルとは、「自由に動く」という意味で、移動中でも使用できる携帯端末のことです。 これも必要とは断言できませんが、あったほうが便利です。例えば旅行中でも買い物中でも、最低限、メールチェックさえできれば仕事の進行状況や発注状況の確認ができます。例えば夫や子どもの入院など、不慮の事態に遭遇しても、看病の合間の時間に仕事のチェックだけはできます。 最近では、ほとんどの携帯電話にメール機能が付いているので、携帯電話を利用するのもいいかもしれません。 家の中での仕事場の確保 在宅ワーカーにとって、家の中での仕事場の確保は必須です。と言っても、 新たに部屋を確保するのは容易ではありません。しかし、仕事をするわけですから、自宅の中でやはりそれなりの場所は必要になります。パソコンや電話、資料を置く場所をきちんと確保するスペースがどこにとれるかを見極める必要があります。 *ラップトップパソコンやノートパソコンを使うならそれほど広い場所が必要なわけではありません。しかし、日常生活と切り離して仕事に専念できる空間が欲しい場合は、一室を完全に「仕事部屋」とすることも考えられます。ただし、これは住宅事情が許せば、の話です。 では、在宅ワーク経験者に職種内容や必要アイテム等について、インタビューしましたので、紹介しましょう。
◎杉本 弥生さん (30歳。母と2人家族。大阪府東大阪市在住。)
◎綾部 由美さん (33歳。夫と子ども3人(9歳、5歳、3歳男児)の5人家族。福岡県筑紫野市在住。)
◎鳥居 真理さん (29歳。本人、5歳、3歳女児の3人家族。山口県徳山市在住。)
◎上田光子 (37歳。10歳女児と夫の3人家族。千葉県柏市出身。)
◎吉田初恵さん (36歳。両親と本人の3人家族。東京都目黒区在住。)
◎山ア加余子さん (32歳。夫、本人と2人家族。東京都府中市在住。)
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