SOHO受発注トラブル事例集


発注者の視点 事例5 発注先との行き違い・報酬額トラブル

 とにかく急いで受注してくれる方を探していたので、こちらの都合でいろいろとお願いしてしまったかもしれません。
 しかし報酬額については、こちらが当初からお願いしていた納期より早く作業をしていただいたようですが、早く出すようにとは特にお願いしておりませんし、当初から工数計算で想定していた案件でした。

◆双方の意識統一を心がけよう

 システム開発の場合、クライアントの担当者から全ての業務フローを聞いてから、要求に添った仕様を作成し、工数、見積書を提出し、金額の合意を得てから業務にかかるのが定石です。 その後、詳細の打ち合わせ、設計に入るわけですが、実際にシステムの詳細内容をひもとくと、見積工数と業務依頼が大きくかけはなれている場合もあります。このような事態が生じる原因の一つには、仕様の詰めの甘さがあります。業務を理解できないシステムエンジニアと理解したと思う発注側の意識のずれがこれを生んでしまうのです。

 また打ち合わせ時点では、クライアント側もシステムエンジニアに完全に業務を理解させることは非常に難しいです。現場に入り一緒に仕事をすればITスキルがあるので、どうあるべきかを考えるのは非常に早いですが、それがないメールだけの打ち合わせの場合はなかなかお互いの意識のずれを埋めにくい場合もあります。

 お互いがずれた認識のまま進んでいく原因は基本的な目標があいまいなことも関連します。目標が掲げてあれば、ずれも少ないので、早期に確認が必要です。


先輩SOHOに聞く 事例5 発注先との行き違い・報酬額トラブル

■クライアントとのコミュニケーション
クライアントに直接会うことがなく、メールに限って仕事をしなければならない場合、繰り返しになりますが、業務フロー・確認ツールを設定してくことが大切です。特に初めての発注元とのやり取りでは、自分としては当然、と思っていることが相手には共有されていない、ということもあるので、注意が必要です。
 また、通信手段が便利になった現在においても、やはりフェース・トゥ・フェースでの打ち合わせをすることも時としては必要です。受注案件に直接関係する情報以外の、発注元に関する様々な情報が把握できるからです。

◆人間関係を構築していくために

●初めてのクライアントとは、最初は小さな取引から始め、お互いに信頼関係を築きながら徐々に大きな取引へと移行できるようにしましょう。そうすればリスクを回避することにつながります。

●どこで何を確認するかを見極めること。口約束だけだとあいまいなことは、必ずメールや書面で残しておくよう心がけましょう。特に正式な依頼を受けた時は、「発注請書」を作成して、相手に捺印・確認してもらうことも、お互いの業務への確認となります。

●自分の力量や環境を見極め、納期、スキル、報酬条件的にできないことは、請けないほうが無難です。無理をして請けてみたものの、結局は相手が期待したような成果が出せない場合は、信頼関係を失うことになりかねません。時には断る勇気を持つことも必要です。